誰も真似したいとは思わない世界 | 2013年05月

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『いい国つくろう鎌倉幕府』のこと

繁華街のバーできれいなお兄さんやお姉さんと飲んでいるとき、「歴史の研究をしています」と話したときにキャストや近くにいた他のお客さんから聞かれる質問でもっとも多い質問はなんだと想像されるであろうか。

『戦国と幕末がブームだから・・・』とそのあたりから質問を考える方も少なくないであろうが、意外とその時代についても質問は少ない。

本能寺の変に関する質問が若干ある程度である。

圧倒的に多いのは、『鎌倉幕府の成立って「いい国つくろう」じゃないんですよね?』という質問である。

もう8割以上を占めているといっても過言ではない。

ちなみに次に多い質問は『歴史上の人物で最も好きな人物は誰か?』というものである。

いわゆる『いい国』の質問をされた時には、内心『またか・・・』と思いながらも、『1192年は源頼朝が征夷大将軍になった年であって・・・』と説明をはじめる。

鎌倉幕府の成立をどこに求めるかという点は色々と議論がある問題ではあるが、ここではその点には深く立ち入らない。

私が気になるのは、『なぜこの質問が多いのだろうか?』という点である。

詳しい統計をとったわけではないから推測に過ぎないわけだが、恐らく中高生に『あなたの好きな時代はどこですか?』と問えば、恐らく戦国時代あたりがあたるのではないかと私は推測する。

幕末の時期等がトップにくる可能性も完全には否定できないけれど、少なくとも鎌倉時代がトップにくることはないと思われる。

では、なぜ他時代に比してそこまで関心が高いわけでもなさそうな鎌倉時代の質問がこれほど多いのだろうか。

これはひとえに例の『いい国つくろう』の語呂合わせが原因であると思う。

第一にこの語呂合わせは、非常にわかり易く、共通のものである点が大きい。

通常では、歴史上の出来事を語呂合わせにする場合、参考書によって様々である。

全く違うとまではいわなくても、語尾や細かな表現が異なっていることも多い。

しかし、『いい国つくろう鎌倉幕府』はかつてどの参考書でも使われるほど一般的な地位を得た語呂合わせであったと思う。

しかも、単に『用語を覚えるだけ』の語呂合わせと異なり、比較的鎌倉幕府成立に結びつきすいものであったことも大きい(まあ、語呂合わせは本来そういうつくり方をするものなのだろうけど)。

とはいえ、それは『かつて』の話である。

私が高校時代に使っていた山川の教科書にはそのような記述はされていなかったし、中学時代の教科書についても同様であったと思う。

私より年下の方々ならなおさら教科書等で目にする機会はなかったはずである。

事実冒頭で触れたお兄さんお姉さんに尋ねても、そのような記述はなかったという。

ではなぜこの語呂合わせの事情を彼らは知っているのだろうか。

語呂合わせ自体は今でも使われてる参考書があるのかもしれないが、私は最も大きな要因は教師が教えるからなのだと思う。

要するに『先生の頃はいい国つくろう鎌倉幕府って覚えてたんだけどさ、最近どうも違うみたいなんだよ』的な説明である。

私も聞いた覚えがあるし、聞いたことがある読者の方も多いのではないかと思う。

教育内容として必要かどうかはともかく、先生方にとっても身近な語呂合わせで、かつ『いい国つくろう』の見直しが印象に残っているのだろうと思う。

そしてそれをきいた生徒たちが同様の知識を人に話すことになる。

このような流れが続いている限り、『いい国つくろう鎌倉幕府』という語呂合わせは、鎌倉幕府の成立が1192年であるとはもはや考えなくなった現在においても、そしてこれからもしばらくは『日本史の最も有名な語呂合わせ』の地位を保持し続けるに違いない。


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